【新大阪支部6月例会】チームビルディングとコミュニケーション

【ハイブリット開催】

コロナ禍のなか、企業経営におけるチームビルディングの重要性がますます注目されています。
ダニエル・キム教授は、成功するチームの多くが「関係性の質」を高めることに心血を注いでいることを見出し、『成功循環モデル』を提唱しました。
GAFAM など先進的な企業の多くは、その知見を活用しきっているように見えます。
経営者は孤独です。
コミュニケーションが大切だと考えてはいるものの、実際にそのきっかけを作ったり維持したりするのは困難に思えます。
その原因はいったいどこにあるのでしょうか?
他者との関係は自己との関係とセットだと言われます。
自己診断ツールを用いたワークからスタートし、参加者とのディスカッションを通じて他者との認識のズレを埋めていきます。
グループ討論に慣れた同友会ならではの深掘りができる貴重な経験になることでしょう。

ゲストの皆さんも気軽にご参加ください!

場所:フリースペース・類
大阪府大阪市淀川区西中島 4-3-2類ビル2F
TEL 06-6305-2222

感想

チームビルディングとコミュニケーション
~自己分析から人間関係の深淵へ~
「人間関係は自分関係」
チームをうまく運営するには、何が一番大切でしょうか。
「人間関係!」・・・そうですね。でもリーダーの思いはなかなかメンバーに伝わらない。みんなが苦労するところです。
そんなときは切り口を変えてみましょう。他人との関係性を改善するためには、まず自分との関係性を改善するといいってことです。えっ!?なに言ってるかわからない?
(まあ深く考えないほうがいいでしょう)
リーダーに必要なのは自己洞察。自分を深く理解するということです。自分を知ることを通じて他人を知る。遠回りのようですがこれが一番近い道なのですね。
ということで、新大阪支部6月例会は自己分析ツールを用いて参加者の「性格」を診断してみました。通常はひとりで診断するところ今回は大勢です。個々の診断結果をもとにグループ討論を行いました。
メンバーの意外な側面、隠された性格が次々と暴露され、会場は大盛り上がりです。

「関係性の質」
MIT組織学習センターの共同創始者ダニエル・キム博士は、成功する組織に共通してみられる好循環を「成功循環モデル」として紹介しました。
成功する組織は次のようなプロセスで好循環が生み出されているといいます。
①関係性の質を高めている
②思考の質が高まる
③行動の質が高まる
④結果の質が高いものとなる
⑤さらに関係性の質が高まっていく

この理論が広く受け入れられる背景には、誰しも自分のチーム内の関係性の質を高めたいと切望しているからでしょう。しかし、現実は厳しい。逆のパターンを考えてみましょう。
①関係性の質に無頓着
②思考の質が向上しない
③行動の質が向上しない
④結果の質が低迷する。
⑤さらに関係性の質が悪化する
業績の悪いチームが陥りがちな悪循環です。
コロナ禍を通じて、チームのみならず社会の分断は危機的なレベルに至っています。
長期的な業績回復のためにも、チームの復興が最優先課題といえます。

心理的安全性
心理的安全性は、ハーバード大学教授のエイミー・エドモンドソンが提唱した概念であるとされます。この概念が脚光を浴びたのは次のイベントの存在がありました。
Google社内で行われた大規模な研究 "Project Aristotle(プロジェクト アリストテレス)"でした。このプロジェクトの目的は、「生産性の高いチームはいかなる効果的な条件を有するのか」を解明することでした。
2016年に発表された結論は、チーム内に "Psychological safety(心理的安全性)" が確保されていることだとされました。この研究成果は瞬時に世界を駆け巡り、以来チームビルディングの基盤として定着しています。
それでは「心理的安全性」とは何か?「仲がよいこと」や「安心感」「心地よさ」とは異なり、厳しさが含まれるとされます。たとえば、立場に関わらず自由に自分の意見を表明したり、批判をお互いに受け入れられるといったことがあげられます。


自己分析と相互理解

自己分析ツールにはさまざまなものがありますが、どれがいいということはありません。
できれば数種類のツールを使って、差異と共通点を把握する。それを繰り替えすことで自己理解が深まっていきます。
今回は最もポピュラーな「東大式エゴグラム」を用いました。
エゴグラムという用語は、エゴ(自我)グラム(図表)に分解できます。自我を可視化するということですね。思うに任せない自分の気持ちや振る舞いを可視化し、理性でコントロールすることが目的です。
これは同時に、他人の内面を可視化できる可能性を開きます。
気になって仕方がない相手の振る舞いが、どこから生まれてくるのか。それを理解することで相手の気持ちを「わがごと」としてとらえていく。これは他人をコントロールすることではありません。「自分が変われば相手も変わる」と言われるように、自己洞察を進めることで、人間の普遍的な感性や共通の行動原理を知ることができるようになるのです。
気になる参加者の結果です。
なんと「自己犠牲タイプ」が6割!残りは「円満タイプ」2割「明朗タイプ」2割でした。


自己洞察と人間尊重の経営

同友会の目指す「人間尊重の経営」。
それは自己分析なくしては成り立たないようです。
その行動の目的はなにか?
そのゴールを描いた理由(理念)は何か?組織として常にこれを考え続けることが「チームとしての自己洞察」であると言えます。
たとえば、企業活動で数値目標を設定する。管理を強めようとすればするほど数多くのKPIが設定され、毎月の会議で報告し改善を求められる。
従業員は何を見るでしょうか?頭の中は数字でいっぱいになるでしょう。
そのアタマでお客様のところへ出向いて営業する。
あるいは製造ラインで製品をつくる。
「そこに心はあるのか?」ということです。
営業成績があげられなかった従業員、品質不良を引き起こしてしまった社員を、周囲の仲間はどのように処遇するだろうか?
支え合い、励まし合い、アドバイスし、成果をみんなで追求する。そんな「心理的安全性」は確保されているだろうか。

不離一体
例会のあとの懇親会はいつも以上に穏やかで親和的な空気に包まれていました。
初参加のメンバーさんも旧知の間柄のように見えました。
新大阪支部は小さな支部です。例会参加率、増強実績、すべての数字で劣等生です。
しかし、関係性の質においてはこれ以上ないほど高い水準にあると思えます。
同友会運動と企業経営は不離一体といいます。
会員諸兄の経営者としての成長と、企業の発展を予感する例会でした。
いつか劣等生が北極星になる日が来るでしょう。

新大阪支部 例会担当
カワモトマニュファクチュアリング株式会社
代表取締役 中野幹生


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