継続的取引契約の打ち切りについて

継続的取引契約の打ち切りについて

特定の取引先と特定の商品を特定の金額で継続的に納入する取引(継続的取引)は一般的に広く行われていると思います。

ところが、ある日突然、取引先から取引を打ち切りたいという申し出があったらどう対応すればよいでしょうか。本稿では、Q&A形式でその対応についてお伝えします。

どのようなものが継続的取引契約にあたるのでしょうか。

一般に継続的取引契約とは、一定の期間にわたり契約関係の存在が前提とされている契約をいいます。法律上の根拠規定がある契約類型ではありませんが、継続的な取引が広く一般的に行われていることから解釈上生み出されたものです。

これには特定の商品を継続的に供給するという商品供給契約のほか、特約店契約、フランチャイズ契約なども含まれます。

継続的取引契約を突然途中で打ち切ることができるのですか。

一般には契約書において契約解除に関する条項が定められている場合には、その定めに従って打ち切ることができるのが原則です。

もっとも、継続的取引の場合、突然の打ち切りを認めると当事者に一方的な不利益が生じる場合が多いことに鑑み、契約書に定める解除条件に加えて正当な理由を条件として求めるものや、解除にあたって半年から1年程度の十分な予告期間を要求するものなど、解除に一定の制約を加えるというのが従来の裁判例の傾向でした。

近時では、解除を認めるものの、解除に上記のような十分な予告期間を設けていなかった場合、解除によって解除される側に生じる損害の補填が必要であるとする裁判例も見られるようになってきています。
いずれにしても、突然の打ち切りが認められるか否かはケースバイケースですので慎重な判断が必要ですので、困ったときは専門家にご相談ください。

著者吹田支部
至道法律事務所 田中豊生
https://shidou-law.jp/

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